カビが発生する原因と簡単に取り入れられる予防法と落とし方を解説します
毎年梅雨の時期になると発生しやすいのがカビです。
毎日念入りにお掃除をしていたつもりでも、いつの間にか壁紙や押し入れの中がカビだらけになっていた?なんていう経験はございませんか?
肉眼では確認は出来ませんが、普段からカビ菌は部屋の中を漂っており、さまざまな条件が揃うと直ぐ繁殖してしまいます。
私たちが見て分かるカビのサイズになっていたら、かなり増殖している状態になっています。
カビは身近にある存在ですが、その危険性を多くの方が理解をしておりません。今回の記事でカビについての正しい知識を知ることで、日常生活の対策や健康維持に役立てて頂ければ幸いです。
そこで今回の内容は
- カビが発生する原因
- カビが私たちに及ぼす影響
- カビが生えやすい場所
- カビの予防方法
- カビの落とし方
この5つのポイントを踏まえて解説致します。
カビが発生する原因
何故カビが発生するのか?その原因は以下の条件が当てはまることで発生しやすくなります。
繁殖しやすい環境
冒頭でも触れている通り、カビ菌は空気中のどこにでも漂っていますが、これからお伝えする条件が3つ当てはまると繁殖しやすい環境です。
- 20〜30℃の温度(25前後が成長に最適)
- 80%以上の湿度(湿度が60%以上になると活動が活発化、80%以上で一気に繁殖)
- カビの栄養となる汚れ(食品の食べ残しやホコリなど)
- 酸素
- 時間
特に梅雨の時期(6~7月頃)は気温や湿度も高いため、カビが繁殖しやすくなります。
繁殖しやすい時期
特に雨が多い梅雨の時期(6~7月頃)は気温や湿度も高いため、カビが繁殖しやすくなります。
ですが、近年では断熱材の発達によって、戸建てやマンションは冬でも室内は温かく保たれ、窓に結露ができるくらいの湿度がある住宅が多いです。そのようなことから今の時代、条件が揃えば1年中いつでもカビが発生しやすいと言っても過言はありません。
生えやすい場所
家の中でカビが生えやすい場所は、風通しが悪く、湿度が高い場所です。具体的には以下のような場所には大変カビが生えやすいです。
- 水まわり(トイレ、浴室、洗面所、キッチンなど)
- 収納(押し入れ、クローゼットなど)
- 大きな家具や家電(タンス、冷蔵庫、食器棚など)の裏側
- エアコンの内部
- 寝具(布団、マットレスなど)の下
- 畳
特に普段のお掃除では手が届きにくいような大きな家具や電化製品の裏側などは、カビが繁殖する上での餌が豊富になるので注意が必要な場所と言えます。
カビが発生したことで体に及ぼす健康被害
カビの胞子は常に空気中に漂っていますが、壁などに付着、増殖して空間に漂う胞子の量が増えてしまうと、もともとお持ちでなかった感染症、アレルギー、中毒などを引き起こす恐れがあり注意が必要です。
特にエアコンの内部にカビが溜まった状態でしようすると、部屋中にカビ菌をまき散らしてしまうことでの喘息等の呼吸疾患は大変なリスクになっています。
それでは、具体的なカビが原因による疾患について解説を致します。
アレルギー性鼻炎
鼻の粘膜にカビが付着すると、カビを体外に排除するために、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状が出ます。
花粉症でも同様の症状が出ますが、カビも同じです。
肺炎
咳、発熱、倦怠感などの症状が見られ、病院で診察を受けても風邪と間違われる事が多いです。
ですが、エアコン作動時に咳コミが出る場合は、内部で増殖したカビが原因である可能性が高いので注意が必要です。
気管支肺アスペルギルス症
アスペルギルスというカビが体内に侵入し私たちの肺で増殖、呼吸するのを妨げるのが「気管支肺アスペルギルス症」です。
体の免疫力が低下していたり、もともとアレルギーを持っている方が発症しやすく、咳や痰、息切れ、微熱といった喘息に似たような症状が出ます。
水虫
水虫は、おもに足の指に白癬菌(はくせんきん)というカビが付着し、強烈なかゆみなどを引き起こす疾患になります。
足に多いのは、靴をはくと蒸れることでカビが繁殖しやすいためです。
シックハウス症候群
建材や家具に含まれる化学物質、建材や家具に発生したカビなど、ビルや住宅で見られる健康被害を総称してシックハウス症候群といい、主に倦怠感や頭痛、めまいなどの症状を引き起こします。
カビを発生させないための予防方法
続いてカビが発生しないようにするために、ここからは日常で取り組める予防策をご紹介します。
カビ発生させないようにするには、先程ご説明したカビの発生する条件の改善することが前提となります。
すべてのカビの発生条件をクリアするのは日本の気候を鑑みると難しい条件になりますが、1つでも条件揃わなければ、大幅にカビ予防に繋がります。
まめに掃除をする
カビを発生させないための予防方法の1つ目は「まめに掃除をする」ことです。
カビはホコリや食べ物のカスなどを栄養源にして繁殖するので、まめに掃除を行ってカビの栄養源となる汚れを取り除くことがカビの発生予防に繋がります。
室内を清潔な状態を維持するだけでもカビ対策として非常に効果的です。掃除機をかけたり、ホコリを落としたりしただけでは、こびりついてしまった汚れは落ちづらく、こびりついた汚れがカビの発生原因になっているケースも多いです。
食べ物のカス、ホコリ、繊維クズなどは徹底的に取り除きましょう。また、こびりついた落ちにくい汚れは拭き掃除でしっかり落とすようにしましょう。
換気をする
カビを発生させないための予防方法の2つ目は「換気をする」ことです。
換気をあまりしないと室内の温度や湿度が高くなり、カビが発生しやすい環境になってしまいます。
換気による室内の温度と湿度を調整すれば、カビ菌を大きく防止することが出来ます。
カビ菌の多くは20~30度室温で活動し、特に25度以上になると活発化します。
梅雨~夏の時期は室内の温度がこの範囲入りやすいため、毎日こまめに窓を開けたり、サーキュレーターや換気扇を回して室温を下げることでカビの発生予防につながります。
また、閉めがちになっているクローゼットや押し入れなどの収納スペースの換気も大切です。定期的に扉を開けて置き、風通しをよくしましょう。
湿度を下げる
カビには様々な種類がありますが、先程触れたように湿度が60%以下になるとほとんどのカビは活動できなくなります。
除湿器やエアコンの除湿機能を使うと部屋全体を除湿することができます。また、収納部分、玄関などは除湿剤を置いたり、すのこを敷いたりするとよいでしょう。
風通しが良いレイアウトにする
いくら定期的な換気を行っても、室内の家具のレイアウトよっては送風の妨げになり、湿度があまり下がらないことがあります。
押し入れやクローゼット等の収納スペースは余裕を持たせてモノを入れ、空気の逃げ場を作ってあげる事が大切です。
タンスや食器棚などの大きな家具の裏側を普段から掃除している人は少ないと思いますが、そんな家具の裏側は熱が溜まりやすく、いざ動かしてみたら壁にびっしりカビが発生してした!というケースも非常に多いです。
対策としては、家具は壁に密着させず10cm以上離しておくことです。壁との間隔を開けることで空気の流れを作り、湿気が溜まりにくくなります。
エアコンや扇風機だけで対処出来ない場合は、首振りのサーキュレーターを使用して室内全体の風通しが良くすることで湿気の滞留を防ぐことも可能です。
また、送風の邪魔になりがちな観葉植物は壁際に置かないようにしましょう。
発生したカビの落とし方
ここからは、カビが発生してしまった場合の落とし方をお掃除場所ごとにご紹介致します。
浴室・洗面所・キッチン等の水回り
浴室・洗面所・キッチンなどの水回りは、食品や石鹸カス、皮脂汚れなど多いことからカビが発生しやすい場所のメインになっています。汚れを溜めないように日頃から掃除を心がけてください。
まず準備物からご説明致します。
- ブラシ
- メラミンフォームのスポンジ
- ゴム手袋
- 浴室用靴
- ぞうきん
- 綿棒
- ゴーグル
- マスク
- 浴室用洗剤(中性タイプ)
- クリームクレンザー
- カビ取り剤
- ドアや窓を開けたり、換気扇を回したりして換気してください
- ゴーグルやマスク、ゴム手袋をつけてから掃除を行いましょう
- まずはカビ汚れに水をかけて濡らします。水で湿らせたブラシに浴室用洗剤をスプレーし、全体をこすります。目地の部分の汚れが取れない場合は、水で湿らせたメラミンフォームのスポンジで、こすります。または、水で湿らせたぞうきんなどにクリームクレンザーをつけ、こすります。
- シャワーなどで水をかけながら、汚れや洗剤分を洗い流します。カビが生えている場合は、カビ取り剤をスプレーします。または、塩素系漂白剤をハケなどにつけ、カビの部分に塗ります。 顔や手足などにつかないよう、注意して行ってください。
- そのまま5~10分ほど放置し、カビの色が消えるのを待ちます。色がなかなか消えない部分は、水で湿らせたぞうきんなどにクリームクレンザーをつけ、こすります。シャワーなどで水をかけながら、汚れやカビ取り剤などを洗い流し、よく乾燥させます。
- 洗面や流し台の下部のカビ取りの際は、カビ取り剤をカット綿や綿棒につけ、カビの部分に塗ります。そのまま10分ほど放置したら、水に浸し固く絞ったぞうきんで残った汚れやカビ取り剤を拭き取りましょう。よく乾燥させたらお掃除完了です。
フローリング・畳
畳に発生したカビ取りについてご説明を致します。フローリングや畳に緑や白のカビが生えたらカビ取り剤ではなく、消毒用エタノール使って隅々まで吹き上げるとカビ菌に対して非常に高い殺菌効果が期待できます。
※新しいフローリングや畳の場合は色落ちする可能性があるので、目立たないところで一度試してから実施してください。
まず準備物からご説明致します。
- 消毒用アルコール(エタノール70~80%濃度のものをスプレー型の容器と小分け容器にそれぞれ入れておく)
- ブラシ
- ぞうきん
- ゴム手袋
- マスク
- マスクをつけてからカビ落としを行ってください
- ドアや窓を開けたり、換気扇を回したりして換気してください
- 消毒用アルコールを使う際はゴム手袋をつけましょう。手袋の端は折り返して、アルコールが畳にたれないようにします
- まずはスプレーで消毒用アルコールをカビ全体に吹きつけ、15分ほど放置してください。
- 消毒用アルコールが入った小分け容器にブラシを浸し、畳の目に沿ってカビをかき出しましょう。カビをかき出せたら、小分け容器に入れた消毒用アルコールの中でブラシを洗います。畳についたカビが取れるまで繰り返してください。
- カビをかき出せたらもう一度消毒用アルコールを吹きつけながら畳の目に沿って乾いたぞうきんで拭きます。よく乾燥させたらお掃除完了です。
- 洗面や流し台の下部のカビ取りの際は、カビ取り剤をカット綿や綿棒につけ、カビの部分に塗ります。そのまま10分ほど放置したら、水に浸し固く絞ったぞうきんで残った汚れやカビ取り剤を拭き取りましょう。よく乾燥させたらお掃除完了です。
発生したカビの落とし方のポイント
カビを発生させないためのポイントを浴室を例にご紹介致します。
①「カビ」は生き物!?放っておくとどんどん増える!
②カビは「見つけたらすぐに取り除く」!
カビを発生させないためのポイント
カビを発生させないためのポイントを浴室を例にご紹介致します。
①浴室は冷やしてから出るのが良い!?
②空気の通り道からカビが広がる!?
発生したカビがどうしても落とせない場合は?
カビは温度・湿度・汚れ・酸素・時間の5条件が揃うとすぐ発生してしまうので、日頃からカビの発生条件が揃わないようにこまめに掃除や換気を行う事が大切になります。
しかし、カビが生えやすい場所はクローゼットなどの収納スペースや水まわり、エアコンの内部と、多岐にわたると手を付けられる範囲が広くそれは大変なことです。
- カビが発生している範囲が広くてお掃除するのが難しいです
- こびりついて落とせなくなったカビが発生している
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まとめ
今回の記事は参考になりましたでしょうか?
特にこれからの季節はカビが発生しないように、湿度、温度の調整が肝になってきます。
もちろん窓のある室内や水回りだけでなく、閉め切っているクローゼットや押し入れも定期的に換気も必要です。
また、カビが発生しても早い段階で処置すれば広がる心配はすくないですが、そもそも発生しにくい環境を作っておくのが何より大切になってきます。
振り返りになりますが、カビが発生する条件は、「栄養」・「酸素」・「温度」・「湿度」・「時間」の5つです。これらの条件を取り除くことでカビの発生が防げるのですが、5つ全てを取り除くことは現実的に難しいと言えます。
これらの条件で取り除けるのは「湿度」と「時間」でしょう。カビは湿度が80%以上の環境で発生しやすくなりますが、換気することで湿度を下げることができるので、普段から意識をすればコントロールは可能です。
カビが発生するには一定の時間が必要ですので、そうなる前にお掃除でカビの胞子を落としておくとカビの発生を防げます。
今回の記事を参考し、梅雨~夏時期にかけてのカビの発生予防対策にお役立て頂ければ幸いです。
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